ブラック企業に転職してから1年

さて、ブラック企業に転職してから、早1年がたとうとしています。

どういうところがブラックかというと。。。

 

①残業時間がつけられない
申請しない限り残業時間をつけられません。申請しても残業時間が認められないことが多く。サービス残業をすることが常態化しています。
残業をすると、ボーナス・昇給査定に悪影響を及ぼすなどという、謎の脅しもあります。

 

工数を考慮せずに仕事が降ってくる
複数の上司から突然仕事が降ってきます。
しかも、工数を考えていないので、残業しなければならないのかそうではないのかがまるではっきりせず。
その上、期日を延ばす要請をすると、断られます。期日に遅れるのは「許さないからな」と言われますが、そもそもの計画や仕事の振り方が破たんしているのに、あまりにもナンではないでしょうか。

 

③給与やボーナスを支給しないという脅し
これは入社してすぐにありました。仕事ができないほうではないと自負していましたが。密室の中で何度も聞かされると、もしかすると自分のボーナスは出ないのではないかという不安が大きくなってきます。

 

④非礼な発言、特に軽々しく他人の仕事に対する姿勢や意欲に口を出す。

良く、「姿勢が見えない」という発言を受けますが、本来他人がどれだけ仕事を頑張ろうかとしているかは、本人にしかわかりません。見えないのが当りまえです。根性や精神論に持ってくるあたりがブラックですね。

 

いろいろ気になるポイントはまだほかにもあるのですが、特に癇に障ったのは、上司からの「家族からも変わったといわれるといいね」という発言でした。私は今のままで十分良い夫ですし、子供たちにとっては良い父親です。家族からの見え方を仕事で換える必要がないし、前職でもそんな悪い仕事やっていたとは思っていないので。

 

また、独身男性や、DINKS家庭の上司にも育児の状況を理解してもらうのがこれまたブラックだととても大変です。「AさんやBさんは子供がいても、深夜12時過ぎまで仕事やっているんだけど、君だけなんだよね夜中に仕事していないの(だから、やれよ)。」と言われましても、在宅でやんちゃな1歳と3歳の子供を抱えていて、とても深夜までなんて集中して仕事ができません。仮に、深夜12時過ぎまで仕事をするとしたら、その間の子供たちは誰が面倒をみるのでしょうか。それは我が家では私の妻しかいません。

 

 

これはコロナ禍で、ずっと在宅勤務になり妻と子と密接にすごすようになってからひしひしと感じ始めましたが、家事・育児がいかに大変で見通しの立たないことなのかが身にしみてよくわかりました。転職するときには、少し出張があるような仕事になって、妻や子から離れて自分は勉強させてもらおう。お金がもう少し多く出ればいいだろうから、子供の面倒は妻に見てもらおうと思っていました。しかし、押し付けるにはあまりに大変なことだというのがよくわかりました。

 

 社会、会社ももっと変わっていからなければならないと思います。日本の風潮は、部活などでもそうですが、自分の限界を超えるということに重きを置きすぎている面があると思います。極めて狭い視野で、ひたすら頑張るけれど全体が見えていない。会社という面ではお金を稼がなければならないのが事実ですが、それが持続可能なのかということを考えていかなければならないと思います。無理をさせれば、かならず雑な仕事になります。何回も繰り返し行うことで苦も無くできるようになる人もいるかもしれませんが、きっとそのしわ寄せは誰かのところに行きます。

 

 ブラック企業に勤めていると、もういい年なのに上司にめっためたに怒られています。罰を与えるという方法で人を育てるとどうなるのかというと、育った人がほかの人に罰を与えるようになります。どんどん弱いものを攻撃していきます。私は、ブラック企業に勤めるまでそんなことはしない人間だと思っていました。しかし、めちゃくちゃ怒られた後というのはやはり心理的に落ち着かないもので、妻と些細なことで衝突したりということが増えました。当時は、自分が仕事をするために妻が協力してくれ内だとか、自分勝手な言い訳ばかり考えておりましたが、今になって振り返ると私は自分が受けた罰を他人に与えていたのだと気が付きました。

 

 しかし振り返ると、われわれは幼稚園ぐらいのころから、ずーっと罰を受けて育っていないでしょうか。私が疑問に思ったのはそういうところです。どうしてもっと子供たちの良いところに目を向けて、良い部分を育ててやれないのか。少なくとも、自分の子供たちには罰を受けて育つのではなく、自分の好きなことや、うれしいこと、楽しいことに向けてどんどん進んでいってほしい。そんな時に、父親がいまだに罰を受けて仕事をしていたらどうでしょうか。きっと子供たちに罰を与えながら過ごすことでしょう。この罰を与える行為を無意識に行っていたので、私は、私のことが信用できなくなりました。

 

私にも夢があります。いつかバカンスのある会社で働きたいと思っていますし、のびのびとした教育を受けさせてくれる国に移住してみたい。少し前は、日本は国際的な競争に勝たなければならないと感じていましたが、土台の部分がボロボロではどうにもなりません。